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「なぜ『山月記』はテストによく出るのか。“臆病な自尊心”は他人事じゃない」

2026.06.16
筆者中島 優紀

目から鱗! 実は知りたい【高校生の現代文】事情

皆さん、こんにちは、こんばんは。

今回は、【高校生の現代文】についてお届けします。

みんな知りたいけれど、正直「勉強の仕方が分からない!」「英数が難しすぎて、古文も難し過ぎて、現代文をやる暇なんてない!」と思っているこの話題。

これを、定期テストや模試でよく出る中島敦『山月記』を例に、取り上げていきたいと存じます。
「『山月記』、私も習った習った!」という保護者様、現役大学生の方にも読んでいただきたい記事です。


『山月記』のこと、「虎になった話」とだけ覚えていませんか?

さて、ここからは、『山月記』に触れたことのある前提でお話しいたします。

そもそも、なぜ主人公の李徴(りちょう)は虎になったのでしょう?

天才過ぎたから?
詩を書きたすぎたから?
都会の生活に倦んでいたから?

……これは、実は本文に書いてあります。
後ほど解説します。

非常に有名な「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」の意味

このキラーフレーズは、平成・令和の小説家やインフルエンサーにも生み出せないくらいのパワーを持っています。
だからこそ、発表から80年以上たった今でも、高校の教科書に載ったり、Xで考察されたり、楽曲のテーマになったりするのです。

このフレーズの本当の意味は、
今まで科挙に合格し、高官の地位にいた李徴が、その経歴ゆえに

  • 💔傷つきたくない
  • 😢でも低く見られたくない
  • 🚷だから挑戦できない

という自意識を分析した結果、出てきた言葉です。

そして、彼はこの【猛獣のような】臆病な自尊心と尊大な羞恥心によって、気づかぬ間に虎になってしまったのです。

ここまで読んで「そうか、よしよし、次のテストではこうやって答えればいいんだな、このブログを暗記しよう」と思ったそこの高校生のあなた。

これ、実は現代の中高生にもよくある心理なんです!

その虎は、今も私たちの中にいる

李徴は、自分が虎になった原因について、「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」にあったと語ります。

それは、皆さんの学校生活で言うと、こんな気持ちです。

  • ✅間違えるのが怖くて質問できない
  • ✅英作文の時に文法が変になってしまうから言いたいことを書かない
  • ✅解けない問題から逃げる
  • ✅「どうせ自分なんて」で予防線を張る

特に、小中学校時代に勉強が得意な方だった高校生ほど、この気持ちに心当たりがあるかもしれません。

「間違いを笑われたらどうしよう」
「みんなにとっては当たり前なことをミスっていたらどうしよう」
「減点されるくらいなら白紙で出した方がましだ」
「○○高に受かったのは、まぐれだったんだ」
「下から数えた方が早いに決まってる」

こんな風に自分で言い訳をして、傷つくことから逃げるために、いつのまにか動画の洪水やSNSの嵐に逃げ込んでしまう。

まるで、それは虎の潜む森林のよう。

……故郷で天才と言われた李徴といっしょですね。


私たちが『山月記』を読み継ぐ、本当の理由

では、私たちは、李徴と自分を重ねて、自己嫌悪に陥るために『山月記』を読むのでしょうか。

当然ですが、そうではありません。

誰の心にもある、「傷つきたくない」「失敗したくない」という気持ちと向き合うためです。

そして40人のクラスメイトや数百人の同期たち、何万人もの高校生たちとその痛みを共有するのです。

『山月記』は、李徴本人ではなく、友人・袁傪(えんさん)の視点で語られます。
だからこそ私には、「李徴の苦しみを誰かと共有したい」という作者の願いが込められているように思えるのです。


そのメッセージは80年以上、教科書や模試を通して、読み継がれてきました。

80年以上も教科書に載り続けているということは、教科書を作る人たちも、この作品に価値を感じているということです。

「その悩みは、君だけのものじゃないよ」
「だからこそ、小さく失敗することが大事」
「どんどん挑戦してみてほしいな」

私個人としては、塾は、
「できないを見せても大丈夫な場所」
であってほしいと考えています。

個別授業ではその場で質問してもいいし、映像授業では同じところを何度再生したっていい。
志望校が決まらなくて何回面談したっていい。

そうすれば、あなたを導く“道”が生まれます。

虎の潜む森林を抜け出すための、
あるいは、森林の奥へ踏み込みすぎないための。

『山月記』は、単なる古い文学ではなく、“今を生きる私たちの話”

『山月記』は、虎になった男の物語ではありません。
誰の心にもある「失敗したくない」という気持ちと向き合う物語です。

だからこそ、現代文は単なる受験科目ではなく、自分自身を知るための教科なのかもしれません。

八潮教室でも、勉強の悩みだけでなく、「質問するのが怖い」「何から始めればいいかわからない」といった相談を受けることがあります。

一人で森林をさまようのが苦しくなったら、いつでも相談してくださいね。

下の画像をタップして、お気軽にお問い合わせください。


では、また次回、お会いしましょう!

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