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数学の成績の上げ方 ―― 勉強時間が伸びに直結しない理由

2026.01.20
筆者清水 宏樹|東進部門責任者

勉強時間が伸びに直結しない理由

数学の成績は、実は勉強時間に比例しません
同じ時間勉強していても、伸びる人と伸びない人がはっきり分かれます。

数学は、「問題から解答を導き、点数を得て、合格する」という非常にシンプルな仕組みの教科です。

しかし、数学が苦手な人ほど、その“導き方”そのものを覚えようとするという勉強に陥りがちです。


「記憶で解こうとする人」は要注意

問題を見た瞬間に、「この問題、どうやって解くんだっけ……」と、解法を思い出そうとしていませんか。

この状態は、非常に危険です。

たしかに、その問題は解けるかもしれませんしかし、模試や入試では見たことのない問題が必ず出ます。

解法を記憶しているだけでは、少し形が変わっただけで、対応できなくなります。


数学で本当に求められている力

実際の数学では答えを覚えていることは、ほとんど意味がありません。

問題を見たときに、

  • 条件を整理し
  • 実験・検証を行い
  • 予想を立て
  • そこから自然に発想をつなげていく

この思考の流れそのものが求められています。

つまり、模範解答を書く力ではなく模範解答に至るまでの前段階の力こそが、数学の本質です。


「わかった」と「できた」は別物

数学ほど、「わかった」と「できた」の差が大きい教科はありません。

解説を読んで、「なるほど、わかった」と思ったのに、テストになると手が止まる。

誰もが一度は経験したことがあるはずです。

それは、式変形や論理の流れを“追っているだけ”で、

  • なぜこの解き方になるのか
  • なぜこの発想が必要なのか

を、自分の中で整理できていないからです。


模範解答の「前」に目を向ける

実際の解答は、いきなりあの美しい模範解答を書き始めているわけではありません。

問題を見てから答えに至るまでには、必ず

  • 試してみる
  • 場合分けしてみる
  • 数字を置いて考える
  • 図や式を書いて検証する

といった試行錯誤のプロセスがあります。

この部分を飛ばしてしまうと、どれだけ問題数をこなしても、数学の力は伸びません。


数学が伸びる人の演習のしかた

演習で本当に大切なのは、解答を「見ること」ではなく、考え方を抽象化・体系化することです。

解説を見るときに、ぜひ次の問いを自分に投げかけてみてください。

  • なぜこの解き方を選んだのか
  • なぜこの発想が出てくるのか
  • この問題を見たら、なぜこの方向に考えるべきなのか

この自問自答を積み重ねられるかどうかが、数学が「演習量に比例して伸びるかどうか」を分ける決定的なポイントです。


質問の質が、成績を変える

先生への質問も、「ここがわかりません」で終わらせるのではなく、

「どうしたらこの発想にたどり着けるんですか?」

と聞けるようになると、数学の理解は一段階深まります。

答えではなく、考え方を受け取りに行く質問ができるようになると、数学は加速度的にできるようになります。


まとめ

数学の力とは、解答を書く力ではありません。

問題を前にしたときに自分で考え、試し、検証し、予想する力。その積み重ねこそが、本当の数学力です。

普段の演習で「なぜ?」を一つ多く考える。それだけで、数学は確実に変わっていきます。

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